「健康なうちに早く受け取って使いたい」——そう思ったことはありませんか。
私も一時期、繰り上げ受給を真剣に検討しました。50代後半・FIRE実行中の元エンジニアです。「いつまで健康でいられるかわからない。早く受け取る方が合理的では」という気持ちは今でも理解できます。でも結論として65歳受給を選びました。FPにライフプランシートを作ってもらった実体験をベースに書いています。
繰り上げ受給を真剣に検討した私が、65歳受給に着地した理由
65歳受給を選んだ主な理由は3つです。ライフプランシート上、急いで繰り上げる必要がなかった。繰り上げの減額は終身続き、トータル受取額が確実に減る。加給年金(厚生年金の家族手当的な制度)が繰り上げでは支給されない。繰り上げに惹かれた理由も正直に言います。健康寿命の不確実性と「Die with Zero」的な思想です。そのせめぎ合いを経て65歳受給に落ち着きました。
繰り上げ受給の制度:減額は終身続く
公的年金は原則65歳から受け取れます。60〜64歳に前倒しするのが「繰り上げ受給」です。1ヶ月早めるごとに0.4%減額され、終身続きます(2022年4月改正後)。60歳まで繰り上げると24%の永続減額です。65歳以降の取り消しはできません。繰り上げ中に障害状態になると障害年金を受け取れないケースがある点も見落とされがちなリスクです。
出典:日本年金機構 https://www.nenkin.go.jp/ /厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/
加給年金とは:繰り上げで受け取れなくなる制度
厚生年金に20年以上加入した人が65歳になったとき、65歳未満・年収850万円未満の配偶者がいると上乗せ支給される制度です(出典:日本年金機構)。特別加算込みで年額40万円前後になるケースもあります(最新改定額は日本年金機構公式情報をご確認ください)。繰り上げ中は支給されません。私がこの制度を知ったのは会社の年金セミナーがきっかけ。FPにライフプランシートを作ってもらったときに詳しく確認しました。
我が家の判断:3要因を並列で整理した
私の状況:厚生年金20年要件クリア済み、配偶者は10歳以上年下、加給年金が約10年以上支給される見込みです。
繰り上げに惹かれた理由は、健康寿命の不確実性と「Die with Zero」的な思想の2つです。男性の健康寿命は72.68歳(厚生労働省「令和元年簡易生命表」)。「健康なうちに価値あることにお金を使いたい」という考え方と重なり、「早く受け取る方が自分らしいのでは」と一時期真剣に考えました。
それでも65歳受給を選んだのは次の3点です。①最大24%の終身減額を背負ってまで繰り上げる根拠がなかった。②配偶者が10歳以上年下の我が家では加給年金が約10年以上支給される見込みがあり、機会損失を無視できなかった(加給年金は判断要因の一つで、単独の決め手ではありません)。③FPのライフプランシートで現時点の資産と65歳受給の組み合わせで問題がないと数字で確認できた——これが最も大きな理由です。急いで繰り上げる理由がなければ、デメリットを背負う必要はありません。Die with Zero的な欲求はFIREによる時間と資産で対応する——それが今の結論です。
健康年齢という不確実性
「70歳まで元気でいられるかわからない。早く受け取った方がよくないか」——この考え方は理解できます。ただ、不確実性への対処法は2つあります。繰り上げで早く受け取るか、年金は65歳受給を維持しつつ資産取り崩しで対応するかです。私が後者を選べたのは、ライフプランシートで「別の資産で対処できる」と確認できたからです。健康年齢の不確実性は繰り上げを否定する理由ではなく、「だからこそ自分の数字を確認すべき理由」だと考えています。
繰り上げが合理的な人・慎重に考えるべき人
以下はあくまで一般論です。個別の判断は専門家へ。
繰り上げが合理的に検討できるケース:生活費を年金に強く依存する必要がある/配偶者との年齢差が小さく加給年金の影響が限定的/ライフプランシートで収支が成立することを確認できている。慎重に考えるべきケース:年齢差の大きい配偶者がいて加給年金を長期受け取れる見込みがある/厚生年金の加入期間が長く減額のベースが大きい/65歳まで待てる資産・収入源がある。
自分のケースは自分のLPで見るしかない
健康年齢・年齢差・資産・加給年金の期間・税や社会保険。これだけの変数が絡む問題を一人で計算すると「感覚」にしかたどり着けません。自分の数字を持つことが、判断の出発点です。
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まとめ:65歳受給を選んだ3つの理由
1. ライフプランシートで「急ぐ必要がない」と確認できた
FPのライフプランシートで、現時点の資産と65歳受給の組み合わせで問題がないことが数字で確認できました。
2. 減額と加給年金の機会損失が重なった
最大24%の終身減額に加え、10年以上の加給年金支給見込みがある我が家では繰り上げによる損失が大きすぎると判断しました。
3. Die with Zeroの欲求はFIREで対応する
「健康なうちにお金を使いたい」という気持ちは本物です。ただその欲求はFIREによる時間と資産の活用で対応できる——65歳受給とDie with Zero的生き方は矛盾しないという結論です。
あなたのケースの答えは、あなた自身の条件を当てはめないとわかりません。
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個別の判断は、社会労務士・FP等の専門家への相談を推奨します。
※ 本記事は2026年5月時点の制度に基づく一般情報です。制度は改正されることがあります。個別の判断は最新情報の確認および専門家への相談を推奨します。

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